一人暮らしを開始した頃から、僕はある文化系のサークルに所属することにした。
変わり者の兄から勧められたからという理由もある。
兄曰く・・・
「お前は、”道”を学んだ方が良い。俺からすると、いい加減なスポーツや習い事しかしてきていない。道がつく類のモノを一度は経験し、自己を確立すべきだ。」
兄らしい発言だったが、違う価値観を持つという意味だと良かったのかもしれない。文化系の”道”がつくものいくつかあるが、何かはご想像にお任せする。
さて、今まで生きてきた経路とは違う扉を開くことに戸惑いと不安を覚えながら、大学2年生の途中で文化系サークルに自らアプローチした。珍しいタイプだと思う。大学の途中かつ文化系に飛び込もうとするヤツはそういない。自分と価値観が合う人たちはいないだろうと想像はついていたため、中々の勇気がいった。
入部(サークル入り)した。
想像通り、少し価値観の違う人たちが多かったように思う。だからこそ、新しい発見は一杯あった。また、奇跡的に僕と似たような人種(男)が同期に3人もいたから最後まで続けることも出来た。(むしろその3人しか同期の男がいなかったw。ほかの年代はいっぱいいるのに。。。)
おかげ様で今でも極たまにだが、付き合いはある。
入部後は普通のサークル活動に参加していたのだが、実はこのサークル。。。文化系とは言いながら、飲み会は全然違うノリのサークルだった。
・乾杯する前に飯を食うな(箸をつけるな)
・瓶ビールしか飲むな
・瓶ビールをコップに注ぎ
・乾杯と同時に空きっ腹に一気に流し込め
・乾杯は最初だけではない
・先輩と乾杯(カチン)したら全部飲み干すが鉄則
※乾杯とは「杯(盃:さかずき)を乾かすもの」
とんでもないサークルに入ってしまったと思った。。。
兄との経験もあり、お酒にはそれなりに自信というか、潰されるなどというつもりもなかったが、中々にして何度か吐くことはあった。気持ち悪くて吐くというより、乾杯によって強制的に胃に入れてしまったモノをあえて捨てる感覚で、トイレで吐くという感じだ。
大抵の飲み会はそれで凌いでいた。
なぜかは忘れた。一度だけ対応を誤った。吐くのを忘れたのか・・・。飲み会終了までは平気だったのだが、帰りの電車を待つホームで「グルグル」が止まらなくなった。身体に力が入らなくなってホームに這いつくばった。携帯電話は持っていたが電話する力と脳も残ってなく、近くにいた女性に助けを求めた。嫌そうにしてるのはわかったが、電話をかけてくれているようだった。救急車が来て運ばれた。
見事な急性アルコール中毒だった。ブドウ糖点滴をして見事に復活したが、当時の皆様には本当に感謝だ。何も手当なければ恐らく今はないと思う。
この場を借りてお礼する。ありがとう。
”空きっ腹で飲む”ということをこの頃に覚えた。以降、あまり抵抗感がなくなっていった。
”空きっ腹に飲む”が依存症の行動の一つでもあるらしい。(もちろん当時は知る由もない。)
依存症克服のために空腹時間を持たせないようにするということもあるぐらいだ。
サークルの特性(歴史というか文化)だったわけだはあるが、元をたどれば、、、
兄か。。。
なんてことだ!!
そう言えば思い出したが、
お酒好き(特にワイン)の大女優がテレビで「空きっ腹に流し込むワインが美味しいのよ~!」っと言っていたのを思い出した。
ほどなくして、その大女優はまだ若くしてお亡くなりになった。悲痛な話だが、なんとなくお酒の飲みすぎも一つの要因なのではないかと勝手に思っている。
ご冥福をお祈りする。
では、アディオス。