前回、救急車で搬送された話を軽く触れた。
僕の体験した”急性アルコール中毒”についてもう少し詳しく書いてみる。
いつものごとく、サークルの”空きっ腹にビール注入系”の飲み会だった。
前回の日記だと、吐くのを忘れたのかと書いていたが、よーく思い出してみると、飲み会中も吐いてはいたと思う。
ビールは相応の量を飲むと、水分で胃が満たされることと、炭酸により、自分では全く制御が出来ない吐き気というか、逆流することがある。
なので変わらず、吐いていたとは思う。
しかし、その日は吐くペース以上に飲んだ(飲まされた)のだと思う。たとえ、吐いていたとしても、ゆっくりだがそれでも確実に胃からアルコールが吸収されていく。飲み会中は平気だったが、アルコールが少しずつ血液中に巡っていくのだと思う。
そうなってくると、もう後戻りは出来ない、いくら吐いても冷めない・回復しない。血中のアルコール度数が上がりきり、おそらく、いくら水を飲んでも、胃からの水の吸収速度程度では血液中に入り込んでしまったアルコールを浄化するのはほぼ不可能かと思う。
飲み会中は平気だったというより、徐々に血中アルコール度数があがり、飲み会が終わりホームに着いたころピーク(急性アルコール中毒状態)に達したのだと思う。
頭はグルグル・体中の力が入らなくなり、ホームに這いつくばり。動けなくなる。
とても迷惑な人だ。恥ずかしいが、事実である。
実は、その時、先に助けを求めた若い男性がいた。
携帯を見ていた彼は、ホームに這いつくばって「救急車を呼んでください。」という僕に、右手を挙げて親指を立てて「グッ!」のポーズをし・・・
また携帯を見る動作に戻った。
一体全体なんだったのか未だに不明だが、酔っ払いへの対応としては、普通なのだと思う。。。「面倒だな。ほっとこ。」っと言った具合だろう。
次に女性に声をかけた、もぅ力は残ってなかった、最後の求めである。
「すみません、、、救急車を呼んでくれませんか・・・」
少し離れていた女性は、僕に気づき、目をやり、とても嫌そうに、、
「携帯持ってないの?」
「持ってるんですが・・・」
確かに、、、、
っと思ったが、力が入らないのである。ポケットから携帯を取り出し、119を押して電話をかける気力も体力もない。電話をかけられたとしても呂律が回らず、救急隊員に説明する自信もない状態。。。
もう一度女性の方に目をやった。
「なんだか酔っぱらって、〇〇駅で、、、」
少し離れていたが、なんとなく聞こえた。
電話をしてくれている。
本当に嬉しかった。
安心して僕は気絶した。
次に目を覚ました時は救急隊員に起こされた。
担架に乗せられて連れていってもらった。
また、気絶した。
次に起きた時は、病院のベッド上、点滴を打っている。
頭がめちゃくちゃ冴えている。
あの時の辛さ・気持ち悪さは一切ない。
近くに女医さんがいて、言った。
「ブドウ糖点滴を打って、血中アルコール度数も正常に戻りました。」
「もう大丈夫です。」
助かった。
「では、お帰りください。」
「えっ?」
深夜2:30ほどだったと思う。勿論電車はない。
「病院は病気の人のためにあります。病床も患者さんのためにあります。いつまた患者さんが増えるかわかりません。」
「正常に戻ったので、その方たちのためにもお帰りください。」
「病院は宿泊施設ではありません。」
正論である。
「っと、言っても電車もないですし・・・」
「表に出るとタクシーが拾えます。」
「後は、近くの宿泊施設を探すなど、考えて対応してください。」
またまた正論である。
頭は冴えていたので、おとなしく、
「ありがとうございました。」
っと、深々と頭を下げて、病室・病院を後にして、タクシーを拾って帰宅した。
1万円近くかかった。学生の僕にとってはとても痛い。。。
でも、死ぬよりマシだったと思う。当たり前だが、、、
この場を借りて(ご本人たちに届くわけもない気がするが、、、)
・男性⇒普通の対応だったと思います。気にしないでください。
・女性⇒感謝しかありません。ありがとうございました。
・女医⇒ありがとうございます。学生のアンポンタンに正論を説いていただき感謝します。
この経験からだが、僕自身は、ヤバそうな学生を見ると、まずは近くの交番に伝えるようにしている。「危ない人がいるので見てあげてください。」
助けを求められれば勿論救急車も呼ぶ。
最後に、、、
急性アルコール中毒は本当に危険である。吐かせても水を飲ませても手遅れになる。
毎年春頃に「急性アルコール中毒で大学生がなくなりました。」というニュースをよく耳にする。とても悲しい気持ちになる。僕自身も酒は好きだし、飲むことは否定しない。
でも、危ないと思ったら、躊躇なく救急車を呼んで欲しい。学生(大人になりたて)だと、救急車を呼ぶことに抵抗もあるだろう。でも、素人が何をやっても、かなりの確率で亡くなるのだと思う。血中アルコール度数を下げるにはブドウ糖点滴を打ち、直接血液に流し込み濃度を下げるしかない。
この日記を見た人は、少なくとも、危ない人をみると行動に移して欲しい。
そもそも酒やめろ・飲みすぎやめろ、、、
もちろんあるだろう。
これだけ飲んできた僕だからわかるが、”飲む人・飲みすぎる人”を根絶することは出来ない。
お願いします。
では、アディオス。